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10Eros完全ガイド|LTX 2.3版とMiniMax H3版「10Eros Max」の違い、GGUF量子化の選び方、ComfyUI導入手順【2026年最新】
10Erosは2026年8月に系統が2つに分かれました。もとのLTX 2.3ベース(最新v1.5)と、MiniMax H3をベースにした「10Eros Max」です。Maxは音声つきで生成でき、ライセンスも別物になります。2系統の違い、VRAM別にどのファイルを落とすか、配布されているGGUFのサイズ一覧、公式ワークフローと10S Nodesの導入、作者が公開しているサンプラー設定、そして壊れているbeta_3・beta_4を掴まないための注意点まで。
概要
10Eros(テンエロス)は、静止画から動画を作るI2V用途に振った無検閲の動画生成モデルです。2026年4月29日に公開されてから、Hugging Faceのダウンロードは50,000件を超えています。
2026年8月、この10Erosにもう1つの系統が加わりました。ベースモデルがLTX 2.3ではなく、MiniMax H3に変わった「10Eros Max」です。名前が似ているだけで中身は別のモデルで、必要なVRAMもワークフローもライセンスも違います。
2系統の違い
| 項目 | LTX2.3-10Eros | 10Eros Max |
|---|---|---|
| ベースモデル | LTX 2.3(Sulphur-2-baseに依存) | MiniMax H3 |
| 公開 | 2026年4月29日 | 2026年8月4日 |
| 最新版 | v1.5(2026年8月6日更新) | hybrid beta5(2026年9月8日更新) |
| 音声 | なし | あり(動画と同時に生成) |
| 本体サイズ | bf16 46.14GB / fp8mixed 29.16GB | bf16 40.22GB / int8 20.97GB |
| 専用テキストエンコーダー | 必要(Gemma 3 12B系 12.78GB) | MiniMax H3の構成に従う |
| ライセンス | 記載なし(依存元に従う) | MiniMax H3コミュニティライセンス |
10Eros Maxは、作者の説明によると、Wan 2.2とKrea 2から抽出したデータをMiniMax H3のアテンション層に「接ぎ木(graft)」して作られています。beta5は7つの概念別グラフトと20以上のLoRAのコンセンサスマージで構成され、LoRAを直接マージしたものではないと書かれています。
MiniMax H3そのものの導入はMiniMax H3をローカルで動かす、LTX 2.3系の全体像はSulphur 2 完全ガイドを参照してください。
どちらを選ぶか
- 音声つきの動画を作りたい → 10Eros Max。MiniMax H3の音声同時生成をそのまま引き継いでいます
- VRAMが12GB前後 → LTX2.3-10Eros v1.5のGGUF。Q3_K_Sが10.34GBで最小
- すでにLTX 2.3のLoRA資産がある → LTX2.3-10Eros。LoRAはベースモデルが変わると使えません
- Face IDでキャラの顔を固定したい → LTX2.3-10Eros。公式ワークフローにFaceID版があります
なお10Eros Maxの作者は、今後の自分のブランチはSulphurのH3版チューンに依存すると書いています。2026年9月23日時点で、Hugging Face上にSulphurのH3版は公開されていません。
VRAM別のファイルの選び方
10Eros Max(MiniMax H3版)のGGUF
Abirayが配布している10Eros-Max-Hybrid-Beta5-GGUF(2026年9月13日公開)のサイズです。
| 量子化 | サイズ | 目安 |
|---|---|---|
| Q3_K_M | 8.90GB | VRAM 12GB(オフロード併用) |
| Q4_K_M / Q4_K_S | 11.56GB | VRAM 12GBならここまで、16GBで余裕 |
| Q5_K_M / Q5_K_S | 14.07GB | VRAM 16GB |
| Q6_K | 16.73GB | VRAM 16GBはオフロード併用、24GBで余裕 |
| Q8_0 | 21.58GB | VRAM 24GB以上 |
Q4_K_MとQ4_K_S、Q5_K_MとQ5_K_Sは、それぞれファイルサイズが同一です。
GGUFを使わない場合、本体側には14GBに最適化されたw4a8版(10Eros_Max_h3_TURBO-hybrid_beta5_w4a8_14gb_optimized.safetensors、14.00GB)が用意されています。int8版は20.97GB、bf16版は40.22GBです。
LTX2.3-10Eros v1.5のGGUF
vantagewithaiが配布しているLTX2.3-10Eros-1.5-GGUF(2026年8月10日公開)のサイズです。
| 量子化 | サイズ |
|---|---|
| Q3_K_S | 10.34GB |
| Q3_K_M | 11.13GB |
| Q4_K_S | 13.20GB |
| Q4_K_M | 14.30GB |
| Q5_K_S | 15.04GB |
| Q5_K_M | 16.14GB |
| Q6_K | 17.77GB |
| Q8_0 | 22.76GB |
このほかQ4_0(12.98GB)、Q4_1(13.90GB)、Q5_0(15.26GB)、Q5_1(16.18GB)もあります。
LTX版はモデル本体に加えて専用のテキストエンコーダーが必須です。text_encoders/gemma-3-12b-it-ablit-norms-biproj-fp8mixed.safetensors(12.78GB)を本家リポジトリから落とし、models/text_encoders/ に置きます。これを入れないとワークフローが通りません。
VRAMとモデルサイズの関係、オフロードの考え方はAI美女を作るPCのスペックにまとめています。GGUFの扱い方自体はLTX-2.5をGGUFで動かすと共通です。
落とす前に知っておくこと
10Eros Maxのリポジトリには複数のbetaが並んでいますが、beta_3とbeta_4は壊れたテスト版だと作者が明記しています。機能するのはbeta_5だけです。bf16版は1ファイル40GBあるため、間違えると往復で80GB近い通信が無駄になります。
ファイル名にTURBOが付くものは、ハイブリッドturboデルタを内蔵していて、ref用とfl用のturboを別々に読み込む必要がなくなり、メモリを4.2GB節約できます。ただし音声はTURBOより非TURBO版をフルステップで回したほうが常に良いと作者は書いています。動きの試作はTURBO、仕上げは非TURBO、という使い分けになります。
参照画像(reference)を使うときは、cacheとspectrumをどちらも切ります。精度が落ちるためです。
ほかのコンセプトLoRAを重ねる場合、強度は0.2〜0.6程度が目安とされています。LTX版では逆に、サイズの大きいdistilled LoRAはファインチューンを壊すため、cond_safe版を使うよう指示があります。
ComfyUIへの導入
カスタムノード
10Eros用のワークフローは10S Nodesを前提にしています。ComfyUIのレジストリに 10s-comfy-nodes として登録されており、ダウンロードは63,000件を超えています。ComfyUI Managerから導入できます。
内容は、アイデンティティ保持・latentアンカリング・アップスケールパスの品質・STGガイダンスのノード群です。GitHubは TenStrip/10S-Comfy-nodes(2026年7月30日更新)。ライセンスの表記はありません。
ComfyUI自体の導入がまだならComfyUI完全入門から進めてください。
ワークフロー
公式の配布リポジトリ TenStrip/LTX2.3-10Eros_Workflows にあります。現行は2本です。
| ファイル | 用途 |
|---|---|
10Eros_10SNodes_I2V_Basic_DMD_V5.json | 基本のI2V(DMD LoRA前提) |
10Eros_10SNodes_I2V_FaceID_v2.json | 顔を固定するI2V |
Old/ フォルダには縦型9:16のタイルドサンプラー版、トリプルサンプル版、InstantAction版など7本が残っています。
作者は実行時間について、これらは品質を優先して時間を犠牲にしており、1本あたり1〜5分を見込むと書いています。
FaceIDの実装は Alissonerdx/LTX-Best-Face-ID を取り込んだものです。DMD LoRAは TenStrip/LTX2.3_DMD_Lora の LTX2.3_DMD_hybrid_v2.safetensors が推奨されています。
v1.3はDMD LoRAとV5ワークフローの組み合わせでしか動作しない設計だと明記されているため、ワークフローとバージョンは合わせて使います。
サンプラー設定
10Eros Maxの作者が動作確認済みとして公開している組み合わせです。
| サンプラー / スケジューラ | ステップ数 | 備考 |
|---|---|---|
| res_multistep / simple | 6〜8 | 作者の常用。動きの質が最良 |
| LCM / simple | 6〜8 | TURBO版の音声が最良 |
| er_sde / beta | 4 | 最小ステップ |
| er_sde / beta57 | 4〜6 | |
| LCM / beta | 4〜6 | |
| Euler / simple | 4〜8 |
作者は、品質と成否を決めるのはサンプリングとプロンプトだと書いています。
プロンプトの考え方
LTX系は条件付けされた状態では自分で補完する力がほとんどなく、最初のフレームとそれに続く動き・変化・音声のすべてを指示しないと何も起きない、というのが作者の説明です。頼まなければ何も返ってこない、という前提でプロンプトを組みます。
I2Vで書く順序は次のとおりです。
- 入力画像の初期シーンを自然な英語で描写する(被写体、外見、構図とポーズ、背景、状況)
- その初期フレームから自然に展開していく筋書きを書く。動く部位と構図の変化を漏らさず書く
- 声のトーンを書いてから、セリフを引用符で入れる。動きの合間に時系列で差し込む。セリフは簡潔にする(長いと動画の品質が落ちる)
- 音を書く。環境音、フォーリー、自然音を、対応する動きと同じ時系列で並べる。セリフも音声演出もない場面に限り、合うジャンルとメロディの雰囲気を書く
タイムスタンプは書かない、余計な修飾はしない、出力は平文の英語だけにする、というのが配布元の指定です。作者はこの前置きをLLMに渡してプロンプトを書かせる運用を推奨しています。
同一キャラを動かしたときに顔が変わってしまう問題は、LTX 2.3系共通の設定で対処できます。LTX-2.3 ComfyUIで「別人になる」を直すを参照してください。
AI美女作成イメージLTX版のバージョンの違い
v1.2からv1.5はほぼ同じモデルで、違いはattn_1とattn_2のゲートの扱いだけだと作者は説明しています。
| 版 | 内容 |
|---|---|
| v1.2 | チューンしたコネクタで顔のドリフトを軽減。長いプロンプトに対応。v1にSulphurのEXP重みを重ねた |
| v1.3 | DMD LoRA+V5ワークフロー専用。v1.2にあった余分な描画や字幕の混入を大きく削減 |
| v1.4 | v1.3ベース。以降の学習の土台にする想定。プロンプトの詰めが必要 |
| v1.5 | v1.4のゲートに線形ランプをかけ、v1.2の挙動を一部戻した版。v1.4の安定性は維持 |
v1.5はDMD向けとLTX distilled LoRA向けのハイブリッドのため、ハイブリッド型のLoRAと組み合わせるのが前提です。
ライセンスと日本での扱い
10Eros MaxにはMiniMax H3コミュニティライセンスが適用されます。このライセンスは米国・EU・英国・韓国をローカル実行の対象外としており、日本は対象内です。年商2,000万ドルを超えない事業であれば商用利用でき、生成物の権利をMiniMaxは主張しません。
加えて作者は、LTX 2.3・Wan 2.2・Krea 2から移植した部分には、それぞれの元モデルのコミュニティライセンスも及ぶと書いています。商用で使う場合は4本すべてを確認することになります。
LTX2.3-10Erosのリポジトリにはライセンスの記載がありません。依存元のSulphur-2-baseとLTX 2.3のライセンスに従う形になります。
無検閲モデルで作った無修正の動画を日本から公開すると刑法175条の問題になります。詳細はAI無修正動画をアップしたらあかんにまとめています。
まとめ
- 10Erosは2系統。LTX 2.3ベースのLTX2.3-10Eros(最新v1.5)と、MiniMax H3ベースの10Eros Max(最新hybrid beta5)
- 音声が要るならMax、VRAM 12GB前後かLTX 2.3のLoRA資産があるならLTX版
- GGUFはMax Beta5がQ3_K_M 8.90GB〜Q8_0 21.58GB、LTX版v1.5がQ3_K_S 10.34GB〜Q8_0 22.76GB
- Maxのbeta_3とbeta_4は壊れたテスト版。使えるのはbeta_5だけ
- TURBO版はメモリを4.2GB節約できるが、音声は非TURBOのフルステップが上
- LTX版は専用テキストエンコーダー(12.78GB)が別途必要
- ワークフローは10S Nodes前提。現行はDMD V5とFaceID v2の2本
- MaxのライセンスはMiniMax H3コミュニティライセンス。日本はローカル実行の対象内
参考
- TenStrip/LTX2.3-10Eros — Hugging Face
- TenStrip/10Eros-Max — Hugging Face
- TenStrip/LTX2.3-10Eros_Workflows — Hugging Face
- Abiray/10Eros-Max-Hybrid-Beta5-GGUF — Hugging Face
- vantagewithai/LTX2.3-10Eros-1.5-GGUF — Hugging Face
- SulphurAI/Sulphur-2-base — Hugging Face
- TenStrip/LTX2.3_DMD_Lora — Hugging Face
- Alissonerdx/LTX-Best-Face-ID — Hugging Face
- TenStrip/10S-Comfy-nodes — GitHub
- 10s-comfy-nodes — ComfyUI Registry
- MiniMax H3 Community License — Hugging Face











